新年度の挨拶 人材不足の世の中を憂う

副施設長の江頭です。

いよいよ新年度になりました。色々制度が変わり、食品の値段が変化したり、配偶者控除の金額が150万円に変わったり、北朝鮮が急に周りと仲良くしたりと、我々の生活にも少しずつ影響が出てきています。

個人的には今年さらに変化しそうなのが、人材不足に対する「機械化」が更に進むのではないかということです。全ての買い物がマイナンバーカードなどで、お店の出口で一発で会計できるようになれば、人もレジも紙も要らなくなります。ネットショッピングもどんどん加速するでしょうし、実店舗で詳しく説明する方法と、無駄をそぎ落としていく方法に2極化すると思われます。人がいなくなると犯罪が起きやすくなるかもしれませんが、最近のカメラは優秀で、人の認識はもちろん、歩き方の特徴で人を認識するなんて技術も開発されているので、下手なことはできないと思われます。映画の世界と思われた機械が中心の社会は、結局人が勝手に居なくなることで進むという悲しい未来なのかもしれませんね。

最近介護の世界でよく話されているのは「外国人労働者」の件です。ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマーなどの基本アジアの労働力の獲得です。もともとEPAという制度で外国労働者の受け入れは行われていたのですが、この制度がうまくいっていたわけではなく、もともと外国のエリートの方が日本の技術を学ぶために来ている訳で、自国に帰り今はその国の指導的役割を担っており、ずっと滞在して日本の労働力になっている状況ではありません。つまり外国労働者は自国に帰るということです。ずっと日本で働く訳ではありません。(最終的に資格を取れなかった人は不法入国者として日本に残り稼いでいるという話も聞きます。)

以前私は外国労働者については軽く考えていました。「安い給料で働いてもらえるだろう。」「単純作業中心なら大丈夫だろう。」などと安易な考えを持っていましたが、それは発展途上国だと幾分馬鹿にした差別的な考えであると思います。日本で稼いだお金が途上国だと数倍になることを利用して人を集めることが正しいことなんでしょうか。

少子化・高齢化は日本が招いた問題であるのに外国人に頼るのは他人のふんどしで相撲を取るようなものであり、まずは日本が自分たちの力で解決しなければならない問題だと思います。それが結果として機械ばかりの無機質な社会になったとしても、それが自分達が招いた事だということを認識すべきなんじゃないかと。親と子、家族の距離が遠くなることになる外国労働者の登用は、親と子の関係が希薄になっている日本の高齢者の気持ちに寄り添い同感していた介護業界だからこそ慎重になるべきであり、そこに頼るのは最後の最後じゃないかと考えます。

「そんな状況じゃないんだよ。」「もう人手不足でどうにもならないんだよ。」という気持ちで多くの人が動かれているのは分かります。でも日本の中で何とかならないかという気持ちを私はどうしても持ってしまいます。機械に頼るのも一つ、元気な高齢者に頑張ってもらうのも一つ、モラトリアムな若者に目を覚ましてもらうのも一つ。

我ながら長いつぶやきでした。あしからず。