副施設長の江頭です。
コロナ禍の中、さざんか園もなんとか令和3年を乗り切り、令和4年を迎えようとしています。
コロナでホームステイの時間が多いと思いますが、訪問で各家庭を回っていると「今年は早かった~」という声を多く聞きます。どうして皆さんがそう思うのかというと、多分季節行事がほとんどなく、同じような毎日が続いていたのが原因なのかなって思います。今まで普通にあった餅つき、新年会、夏祭り、花火大会、などなどの行事の中止が相次ぎ、平凡な毎日が続いていたのかもしれません。ただコロナは世界的な問題であり、なかなかこの感染症が直ぐに無くなる訳ではなく、コロナ禍でも楽しめる取り組みをもっともっと考えなければならないと考えています。今はとにかく最大限に感染症を抑え込もうとしてフルパワーで国民が一致団結して頑張っていると思いますが、ある程度コロナの分析も終わり、状況に合わせた対応を取り始めないと、せっかく伝統的なお祭りが無くなったり、大人数が集まる会場もなくなってしまい、日本古来の物がだんだんとなくなってしまうような気がします。マスク・消毒・ソーシャルディスタンス・ワクチンなどの対応をしている状況でも本当にだめなのかの検証をどんどんと実施し、コロナであっても楽しめる模索を実施すべきだと思います。確かにオミクロン株などのさらなる脅威に備えることも必要ですが、先人たちの作り上げた大切な伝統行事・季節行事が行われない状況というのもこれからの私たちの生活が味気なくなる、刺激を失いつまらない人生になるのをもっとトータル的に考える必要にこれからはなってくると思います。
介護・医療の世界では「QOL」という言葉があります。それはQuality Of Life の略なんですが、直訳すると人生の質(人生の満足度)という言葉です。日本語で言えば「いきがい」という使い方をする人が多いです。生きてる意味とは何か? 楽しみを失い家でテレビやYouTubeばかりを見ている人生がいいのか? もし失った以前の生活を取り戻すために何をするべきなのか、国の専門家委員会ではなく、それぞれの立場で積極的に発言し、答えを模索すべき時期だと思います。
どうしても感染症対策の話になってしまいますが、総理大臣が変わり、また補助金が増える話があります。それは人材不足を解消するための一つの手段としては有効だと思いますが、介護業界自体がその魅力をしっかり発信し、その価値を国に認めさせ、報酬を上げることがベースです。つまり介護の必要な利用者様に適切な介護を提供し、可能な限り自立した生活を提供し、提供された本人がより充実した生活を送ることが重要です。その目的がどこか失われ、その目的をかなえるための手段・方法である人材獲得がメインとなっている歪みを修正しなければ、結局「お金はもらえるけどつまらない仕事」で終わってしまい人は逃げてしまうと思います。尊い仕事であるならばなおさら、その仕事の魅力、価値をもっと高める努力は続けるべきです。人を充足させるために、外国人や引きこもっている人達などをなんとか労働力として使いたいという話も聞きますが、もっともっと介護の仕事の素晴らしさを今働いている人たちに感じてもらうことが一番いまやるべきことです。政治家のご機嫌取りに振り回されずに、本当にすべきことを一歩一歩実施していきたいと考えています。
来年もよろしくお願いします。