副施設長の江頭です。
佐賀ではコロナ感染症に対する蔓延等防止法が12日に終了ということで、少しはほっとしている状況ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
介護業界の人材についてはコロナの時代において他産業から流れてくる方もいらっしゃいますが、やはり他の業界と比べると介護業界は人気がなく、職を失った方も人気のある職種から希望をだしており、この時代だからといって介護業界に多くの人材が流れているわけでもありません。
私自身この業界に長くいますが、特に介護職員の待遇(給料)に関してはここ10年近くでかなり上がっているのは事実です。もちろん他の産業と比べるとまだまだという側面はありますが、高齢化社会を見据えて国がかなり助成金(処遇改善交付金)を出しています。それに介護という仕事が少しずつですが「専門性」の部分で進んでいることもあり、単純にオムツ交換、入浴介助などのいわゆる3Kではなく、「人間」を相手にしていること、「自立」を支援していることが以前より考えられており、「介護をしてあげている。」という一方的な介護ではなく、その人に必要なことはなんなのか、どこまで介護をすればこの方は残った能力を使えるのかを丁寧に拾い上げ対応することが必要になっています。そこに気づかずに昔ながらの「やってあげている介護」をしている事業所も多くあり、しっかりと介護という仕事に向き合い、これから入職する人たちのためにも経験だけで仕事を教えてるのではなく、「こういう理由だからこうして欲しい」と行動を言葉でしっかり説明できる理論性をもっともっと獲得してほしいと願っています。
こういう状況かつ少子高齢化社会の中で入職してくる人たちの求職活動(雇用する側からは求人活動)は変化してきています。昔ながらのハローワークから仕事を求めてくる人が少なくなり、ネットを通じてだったり、派遣だったりします。そして最近増えているのが「紹介」という形です。これは年収の20%~30%の紹介料を通じて就職を支援するんですが、紹介料は少なくても70万円以上からであり、雇用する事業所にとっては多大な出費になります。もちろん人が少なくてどうしようもない事業所にとってはありがたい形態かもしれませんが、多額の紹介料に見合った職員をその会社は紹介するわけではなく、ハローワークから来る職員となんら変わりません。私個人はこの人材紹介という会社を否定するわけではありませんが、人材不足という背に腹は代えられない状況に対して多額の紹介料で入職する形は多くの中小企業でなりたっている介護業界の崩壊を招くものであり、もっともっとハローワークなどの公的な人材紹介会社が求職者と求人者を結びつける努力をしなければならないし、事業所もこの状況を打破するために、自分たちの業界がいかに素晴らしいかを届ける努力をすべきと考えています。
介護は直接必要な人にサービスを届けられる、人生を豊かにするお手伝いができる素晴らしい仕事です。汚い、きついという側面が無い訳ではありませんが、それ以上に素晴らしいものがあります。時々「腰痛になるよ。やめたほうがいいよ。」と言う人がいますが、それはどの業界も一緒ですが、知識や技術が足りなかったり、集中力が低下していたり、健康管理ができていない方はどんな人でも腰痛などのリスクがあります。つまり介護業界に対する偏見でしかありません。
自分に合う天職はなんだろうと職を転々としている人が居ますが、そんな都合のいい話はありません。自分に社会が合わせるのでなく、社会に自分を合わせることではじめて「天職」が見つかると思います。もし介護って仕事に興味がある人がいたら、是非チャレンジしてください。応援します。