カテゴリー別アーカイブ: スタッフのつぶやき

コミュニケーション

副施設長の江頭です。

介護の世界ではコミュニケーションがとても重要です。技術的な事だけではなく、人間性、知識、知性などなど、複合的な経験も必要になります。それに人はそれぞれ色々な想いをもっていたり、それぞれ深い事情を持っていたりします。夫と喧嘩して機嫌悪い日、色々と不幸が重なりふさぎ込んでいる日、恋人と別れ人生最悪の日を過ごしているかもしれません。そんな状態の人に正論ばかりぶつけても意味が無い時もあります。確かに仕事をしている訳で、プライベートは関係無いという言い方も可能ですが、我々は人であり、機械ではありません。

人として色んな事を経験し、相手の気持ちを理解し、共感できる能力があるのかはとても大事です。でもそれで感情移入しすぎて心が疲弊するのもまた違います。相手を包み込むと同時に職業人として一線を保つこともまた重要です。常に揺らいでいる人を支える人もまた揺らいでいます。そしてその関係を繋ぐものはコミュニケーションです。難しいけど、成長しなければならない。日々勉強ですね。

春日和

副施設長の江頭です。

極端に寒い冬も過ぎ、春日和が続くこの頃ですね。介護業界では「冬枯れ」といい、利用者様が続々入院し、利用者数が減少してしまうんですが、やっと落ち着き、少しずつ利用者数も増えている状況です。

ただ利用者様が増えるという事は、お預かりしている責任上どのような対応が必要なのかをしっかり情報共有し、転倒などのリスクを予防できる体制を作りあげておく必要があるという事です。介護保険は「契約」により成り立っています。その契約でやるべきことが決まり、やれないこと(想定外のこと)が起きれば利用が終了になるということです。味気の無いようにも思えますが、最近は直ぐに裁判であったり、ちょっとした相談も無く行政に駆け込まれたりする人も多くなっている時代であり、契約書を何度も見返し、どこまで自分達ができるのかを考えつつサービスを行っていく必要もあるのかなって思っています。

信用・信頼のもとに何もかもをお任せできるような関係を作ることが大事だということは良く分かっていますが、「契約」というのはそれを逆手にとり自分たちのいいように解釈したり、悪用したりもできるということです。時代のせいというのは簡単ですが、変化すべきところは変化し、時代についていく努力も必要だと思います。「変化できる勇気」も大切ですね。

春一番、何を想う

副施設長の江頭です。

春の嵐により台風の時はなんでもなかった立て看板などが吹き飛び対処に追われていました。まぁ日頃から立て付けをしっかりしておけばよかったのですが、後回し後回しにしておくと後悔するものですね。

あっという間に29年度も過ぎ去ろうとしています。色んな問題はあっても、多くの人からのアドバイスなどでなんとか今年も無事乗り越えることができたというのが正直な感想です。

介護の業界はどうしても自転車操業的に事業を行い、5年後・10年後の介護の在り方を見据えて計画的に考えることができていないという印象があります。それは先が見えない人材不足、中途採用中心で職員の教育制度が充実していない研修制度などなど、様々な問題を処理できないまま超高齢者社会に飲み込まれている現実があると思います。

どっしりとしっかり理念のもとに先を見据えて事業を考えていきたいという想いと先の見えない現実の間で苦闘する日々ですが、利用者様の笑顔や職員の頑張り、そして地域の方の支援により助けられていることに感謝しています。少しでも皆様が安心して利用できる、預けられる施設・事業所になるように頑張りますので来年度もよろしくお願いします。

オリンピックから考える

副施設長の江頭です。

冬季オリンピックがはじまり、日本人選手のメダル獲得のニュースが騒がしい日々になりました。ただテレビや新聞の報道の在り方に疑問を持つような意見がちらほらインターネットニュースでも見られるようになりました。それは私も同じで、以前からスポーツ自体の面白さを無視したり、日本人選手ばかり取り上げて他の頑張っている外国人選手をほとんど取り上げない国粋主義的(日本チャチャチャ的)な扱いをどうにか変化すべきではないかと思います。

ニュースというのはその時一番興味をそそられることであり、その物事自体の意味は二番目三番目だったりします。しかしそのニュースによってはその特異性が目立ち、本来取り上げるべき大事なことが抜け落ちる事が多々あります。

実は介護にも同じような事があったりします。利用者様は色々な方がいます。認知症になりとても穏やかでかわいらしくなる方もいれば、イライラして怒りやすくなる方もいます。職員にとっては利用者様がかわいらしい方が対応しやすいのは当然ですが、どの利用者様も長い間社会に貢献し、我々の生活を支えて下さった大切な先人です。その方々を今対応しやすいからといって区別をつけたりすることはできません。専門職として認知症の症状への対応を行う事、人間としてその方の尊厳を守る事、それらの視点を持ち公平に接することが求められています。一時的なことではなく、その人の全体を支える事がとても重要です。

若い職員・経験の浅い職員は利用者様に平気で「かわいい~」と表現し、扱いの易しい癒されるような利用者様にそのような言葉をかけます。ただ90歳近い高齢者を「かわいい」と表現するのがどれだけ失礼なのかその職員は理解していません。逆にどうして「かわいい」と表現するのが悪いのかさえ理解できません。自分の行動を客観視できていないからです。

物事を刹那的に浅くみる事と本質を見抜き深く考える事、それが介護の質の差につながります。深く、客観的に時に同感し接することが介護職のあるべき姿です。介護者それぞれの人間力も必要ですが、介護に携わる者が専門職として自分を磨く必要性を強く感じます。

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。副施設長の江頭です。

バタバタしていても時は確実に過ぎる物であり、それにあがきもがきつつも、誰に対しても公平にそして時には残酷にまた一年が過ぎました。

ただ数十年前から比べると、紅白を見る人は減り、おせちは日持ちがしない物が増え、親戚が集まる事が減り、世代間の交流よりも旅行とかを優先する若い人が増えたりと、我々日本人の年末・年始の過ごし方も様変わりしている印象があります。

特に高齢化・少子化(働き手の減少)の波はしっかりと日常に色濃くなっており、テレビを見ていても若い人より昔で言う中年の芸能人が多く、60を過ぎた芸人さんも当たり前のように前線で活躍している姿をよく見かけます。ガソリンスタンドは当たり前のようにセルフスタンドになり、スーパーもセルフ会計どころかセルフレジまでも見かけるようになりました。これからも機械で代用できるものはどんどんと取り入れられ、人手不足を理由に機械化は進んで行くと思われます。

ただ介護に関してはなかなか代用できる「物」はなく、これからも人である「者」が必要だと感じています。それは人が人との関わりを求め、そしてただ物を扱うのではなく者を扱うことでお互いの存在意義を確認し、寄り添い合うことで生きている意味を感じるからだと思います。

少し前の私のつぶやきで、ある程度長期間働いた介護福祉士の給料が月に8万程度上がるという事を書きましたが、正直私は冗談だと思っていました。ただ消費税が増える事が前提ですが、予算としてしっかり計算しており現実として進んでいることを聞くと、国も介護業界の人材をしっかり確保したいと本気で考えているのかな〜っと思います。(ただお金を上げれば辞めないだろうという発想だとしたらさみしいですけどね。)

いつも感じていることですが、さざんか園は利用者様・家族様・地域の方など色々な人に支えられて今があります。今年もきっと色々なことがあると思いますが、皆さまよろしくお願いします。

10年で8万!

副施設長の江頭です。久しぶりにつぶやきます。

来年度医療と介護のダブル改訂が行われるという事で、今まさに国会などの委員会で様々な話し合いが行われている最中です。(一応一通りの方針は決まったみたいでその資料も出てるんでが・・・)

そこで最近話に挙がっているのがタイトルの通り、「10年で8万」です。これは介護福祉士として10年以上勤務した人に8万円の処遇改善を行うということです。ひと月8万増えるのか? 10年といっても何日働いてればいいのか? 介護福祉士の資格が絶対なのか? などなどまだ分かっていない事が多く、そもそもこの政策が決定してもいない状況ですが、具体化するかもしれないということです。

人材不足で24時間営業を止める店が増えたり、スーパーの精算機がセルフサービスになったりと、日本は人材不足対策でこれからも色んな方法を生み出すと思いますが、人手が絶対に必要な介護業界でこのような処遇改善の話が出るのは、何だか背に腹は代えられない、切羽詰まっているのかなとも思えます。

本来行うべきことは、介護の仕事の魅力をもっともっとアピールして働くことの喜びを提供することだと思うんですが、最近の国の政策は、「まずは処遇改善」という感じで、少し寂しい気もします。もちろん待遇は上がって欲しいですが、職員の退職の理由はお金が一番では無く、仕事に対するモチベーションであり、人間関係が一番だと言われています。そのためには、介護という仕事の喜びや大切さ、そもそも人間と人間との繋がりを大切にし、そのすばらしさをアピールすることが今一番すべき事なんじゃないかなと思います。そしてそれを行うのは、それぞれの法人であり、それぞれの事業所だと思います。

っと自分に言い聞かせて今日も働きます。

残暑はどこに?

社会福祉法人久栄会副施設長の江頭です。

9月上旬より朝夕が涼しくなり、台風が来て日中も涼しくなり、夏がいつの間にかどこかに行ってしまいました。暑くて嫌だと言っていたのに、いざ寒くなると毛布を出したり、衣替えをしたり、暖房を用意したりと、それはそれで面倒くさいこともあります。

当法人では、今年も色々ありましたがなんとか半年過ぎようとしています。9月30日に「ふれあい祭」という一番のイベントが控えている状況ですが、最近は学生ボランティアさんの協力等があり、準備や片付けも順調に推移し、比較的落ち着いて運営ができています。高齢化・少子化・労働力低下など、色々叫ばれていますが、結局は横のつながりにより「さざんか園」が成り立っている事をこのようなお祭りなどがあると強く感じます。

話はそれますが、9月14日(木曜日)に園内研究発表といい、事業所から一例ずつ研究発表をしてもらいました。介護福祉士などの有資格者の割り合いが当法人では現在8割近くなっていることもあり、少しずつ発表のレベルも上がり、数年の蓄積したデータを棒グラフで示したり、しっかりと数カ月の研究を論理的に説明することができている事業所も増えてきました。

現在介護の世界はまだまだ「学問」としては成熟しておらず、経験則でやっている事をむしろ認めているところも多い印象です。確かに人生経験のある職員のコミュニケーション能力を含めた人間力・総合力に若い介護職員が圧倒されてしまい、「学問」としての介護を放棄し、経験に頼った介護を中心にしてしまうことも多いかもしれませんが、何故その介護をするのか、結果どうなったのか、そしてこれからどうするのかという論理的思考のもとに仕事をしないと、その場しのぎの対応になり進歩はないと思います。

もともと介護福祉の業界が、ボランティア精神の強い人が多く、介護事業所を開いた施設長・経営者の多くが、弱い人を助けてあげたいという気持ちを持っていると思います。ただ今の日本のように世界一高齢者率が高い現状において、ボランティア精神だけで介護事業所を運営することはできず、しっかり確立した「学問としての介護」が必要になっています。それが味気ないと思われる人もいるかもしれませんが、経験をうまく知識に変換し、それを次の世代にしっかり引き継ぐことをしないと、レベルは上がらないと思います。

介護業界の虐待のニュースが取り上げられるたびに、しっかり介護をしている職員も一緒に否定されているようで心苦しく感じます。立派な介護のプロを多く作り出し、どの業界にも負けない知識・技術・プライドを持った人たちを作り上げる事がこの業界の求められている責務だと思いますし、私もその一助になればと思います。

投稿が増えたのはなぜか?

さざんか園副施設長の江頭です。

最近それぞれの事業所の投稿が増えました。投稿に関してはそれぞれの事業所の担当に任せていて、イベントがあれば投稿(書き込み)をして欲しいと言っているだけで、どれくらいの頻度でやって欲しいとは言っていませんので、それぞれの事業所がどれだけ家族様、地域、他事業所にアピールしたいか次第の面はあります。ですので今回投稿が増えてきたのは私としては喜ばしい事です。

ホームページを作成して一番思ったのが、「見る人は見ている」ということです。決してさざんか園に来られる方のほとんどが見ている訳ではなく、求職の際にのぞかれたり、遠くにいらっしゃる家族様がどのような事をしているのかのぞかれるのが中心だと思います。ただ「見る人は見ている」訳で、一つの情報の発信ツールとしては確実に有効性が高まっていると感じています。

スマートフォンで直ぐに情報が出る社会になり、昔の電話帳感覚でグーグルで検索してどこからでも調べる事ができる時代になりました。その情報社会になかなか追いつくことは難しいですが、可能な限り発信していきたいと考えています。

求職活動をされている方、介護事業所とは何か知りたい方、親御さんの介護保険申請を考えている方、当法人事業所の活動内容を知りたい方、是非さざんか園を訪ねてみてくださいね。

 

有資格者が増えました

副施設長の江頭です。

介護福祉士の合格発表が終わり、今年度社会福祉法人久栄会では合格者が4人出ました。前から介護福祉士の割り合い自体は多かったんですが、現在介護・看護職員36人中27人(75%)が有資格者となりました。(無資格の方はパートの方が多いので、正職員での有資格者の割り合いはさらに上がります。)

介護の世界では生活のお世話という意識もあり、資格なし・経験なしでも問題ないという風潮がありましたが、今の時代は虐待・拘束・感染・認知症・介護動作などにおいて専門的知識を有していないと色んな事故を引き起こしてしまう可能性が高くなります。資格をもっていれば全て安全という訳でなく、ただの入口にすぎないんですが、ある程度の知識をもっている証明にはなります。

介護事業所が増え、経営だけを考える事業所・法人は資格者が増えるとそれだけ手当が増えてしまうので、歓迎しないかもしれませんが、介護福祉士の割り合いが増えれば加算が取れる場合もありますし、資格取得者の昇給部分を介護職員処遇改善交付金で賄うこともできますので、多くの事業所が資格取得の応援をしてもらいたいと思います。そして介護が医療の下という見方を是非覆して欲しいと思います。それが結果的にこれからの高齢化社会に対し高度な介護を提供することになるのではないでしょうか。

働きながら資格取得の勉強をするのは大変です。今もそれを目指して頑張っている介護職員も多いと思います。是非「目標」や「夢」をもって毎日を暮らしてほしいですし、それを応援する事業所が増えることを願います。

28年度のまとめ

副施設長の江頭です。

平成28年度ももう少しで終わりです。法人・事業所では年度単位で一年を総括するのが通例であり、いわゆる総決算の時期でもあります。

今年度はやはりいろいろありましたけど、昨年度よりはバタバタしなかった印象はあります。年度当初は職員の出入りがある程度あり、バタバタしていましたが、少しずつ落ち着きを取り戻した感があります。

ただ介護業界というか日本全体の問題として、「人材不足」というものがあり、安定的に職員が入ってくる形がまだまだ作れず、人事を担当している者は本当に頭を抱えていると思います。それに人が誰でも来ればいいのかというと、そういう訳ではなく、虐待・拘束・コンプライアンスなど、職員一人一人の最低限の社会性・職業倫理が問われる時代であり、介護業界も10年前より専門性が求められていると言えます。

ではどうしたらいいのか? どのような一歩を今踏み出さなければいけないかというと、それは自分達がやっている事をしっかりみつめ、質を上げ、同時にせっかく質を高めたのならそれを周りにしっかり喧伝・認知する努力をすることだと思います。その両輪があり、お互いの求めているものが合致したときに社会福祉法人として地域と密着し安定した運営が行えるのかなと思います。やはり地域の利用者様を中心に介護しているのならば、もっともっと地域に出向き、どのようなニーズがあるのか知るべきだと思いますし、いまの高齢化社会の現状、介護保険のことなど、伝えるべきことが多くあるんだなと感じます。

「大は小を兼ねる。」のではなく、地域を考える時は一人一人が何を求めているのかをしっかり捉えることが結果として「地域」を見ることかもしれないと考えています。来年度はさざんか園として、もっともっと地域に出向き、何を求められているのかを知っていきたいと思います。

来年度もさざんか園をよろしくお願いします。